| 野寺、念願の日本チャンピオンに |
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6月25日に静岡県の日本サイクルスポーツセンターで行われた「全日本選手権ロードレース大会」で見事、シマノメモリーコープ所属の野寺秀徳が優勝。2005年の日本チャンピオンに輝きました。
アップダウンの激しい日本CSC内のサーキットで行われ、30度を越える猛暑の中のサバイバルレースとなりました。レース後半、チームメイトのアシストに助けられ、昨年のチャンピオンである田代選手(ブリヂストンアンカー)と共に飛び出し、最後は野寺選手が力でねじ伏せて、優勝をもぎ取りました。 このタイトルは、彼にとっては初めてで、彼の出身地であるここ伊豆・修善寺で獲得できた事は、本人のみならず地元のファンや関係者の皆様にとっても格別な勝利であったに違いありません。
今後、彼は日本チャンピオンの証である日本チャンピオンジャージを身にまとい、8月からは世界を目指して、ヨーロッパをベースに活動する予定です。 今後共、応援宜しくお願いします。
シマノメモリーコープコーチ 今西尚志
厳しいコースで繰り広げられる日本のトップレベルの争い。野寺(左)と、田代選手 Photo by Yuzuru SUNADA |
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6月25日 全日本選手権ロードレース大会 日本サイクルスポーツセンター 8kmコース×20周 160km
国内ナショナルチャンピオンを決定する全日本選手権が、静岡県伊豆市にある日本サイクルスポーツセンターで開催された。このレースは文字通りその年の日本一を決定するレース。毎年それぞれのチームや選手は特別な思いで臨む。 当然我がチームも必勝体制。2年連続でブリヂストン・アンカー(以下BS)にタイトルを取られているだけに、必ずタイトルの奪還を果たしたい。
昨年のオリンピック選考会と場所を同じくして、距離が若干少ない160kmのコース設定。距離が短いといっても登りと下りしかない厳しいもの。しかも6月下旬としては記録的な当日の猛暑からしても、レースは完走も難しいサバイバルレースになる事は容易に想像する事ができた。
狩野&野寺をダブルエースとし、成長著しい土井も展開次第で勝ちに行く準備をしてレースに臨む。 炎天下の11時、レースはスタートを切った。スタートして1周目から数名のアタックが決まる。作戦通りこの逃げに大内が入り様子を見る。後ろの集団は山本、品川、辻が中心に離れすぎないようにペースを作る。
その逃げに福島康司(BS)が合流を狙いメイン集団からアタック。福島は先頭の数名と合流。そのまま逃げの体制に入る。しかし、これは予想通りの展開。福島康司の走りは兄、福島晋一や他のチームメイトを有利にするためのアシスト的な動きである事は間違いない。しかしシマノの動きを見て一向に先頭に出ない他チームの走りを考えれば、シマノが集団を牽引しなくては、取り返しの付かない差を付けられてしまう可能性がある。
この動きには調子のいい阿部が集団の先頭をコントロール。常に2分以内に留める範囲で大集団の先頭を牽引する。この走りは素晴らしく数周の間、阿部が1人で集団をリードする形を保った。無理をして先行した選手達は体力を消耗し、次々に阿部のリードする集団に吸収され始め、100km程レースを消化した所で、逃げつづける福島(BS)新保(アイサン)をキャッチ。レースは振り出しに戻った。
この辺りから集団に残る選手の数が減り始める。気温と湿度は予想以上に高く、選手を苦しめている。幾つかの揺さぶりにより集団は20名程に。前半アシストを使い果たしたシマノに比べBSは人数では勝っているものの、レース後半のアシストの要員である広瀬が最後の力を振り絞って、細かい動きを常にチェックし集団を牽引する。
遂にシマノは狩野、野寺、土井の3人に。しかし、ここまで3人の力を温存させたアシスト勢の働きは完璧。誰にとってもきつい後半戦、ここまで走ればチームメイトの数など関係ない力勝負になるはず。後はエースとして走る3人が勝利を目指すだけの事。
残り50km。どの選手にも疲労が見える。ラスト7周の表示を通過し、このコース中もっともきつい坂でディフェンディングチャンピオン田代(BS)がアタック。集団の後方からスピード差を付けて一気に坂を駆け上がっていく。この強烈なアタックは昨年、このコースで彼に苦杯を舐めさせられたそれを思い起こさせる。ここで遅れては全てが終わってしまう。 このアタックに野寺(私)が一瞬遅れて反応。キツイ場面ではあったが負けられない一心で彼をキャッチ。シマノ&BSが引かずペースが落ちる後続集団を集団とのタイムを一気に2分近くまで広げ、残り50km近い距離を2人での一騎打ちに持ち込んだ。 残り3周、下りを先行して走っていると、後ろで田代の気配が一瞬消える。「まずい」後ろを振り返ると下りから登りに差しかかる場所で、田代が後ろからスピード差を付けてのアタック。しかしこれは冷静にフォローし彼のアタック封じ込める。
ラスト2周、牽制状態になりスローペースで走る先頭2人に対し、後続から岡崎(NIPPO)が単独追い上げる。彼の走りは素晴らしく、タイム差は確実に迫っている。しかし、この状況で追いついたところで、彼の消耗度は計り知れないはず。既に勝負の相手として見据えるのは田代(BS)ただ一人。 ラスト10km。田代はあまり先頭に立とうしないように見える。しかしその動きは、後ろに付いて楽をしようとする走りではなく。横に位置取りフェアに走ろうとする彼の闘志が伝わるものであった。その走りには応えなくてはならない。
スプリントになればこちらが有利。アタックを狙うであろう彼の動きに全神経を集中させる。睨み合いは続く。ラスト1周を過ぎ、いよいよクライマックス。後続では狩野が攻撃に出る。そのせめぎあいから抜け出した真鍋(NIPPO)が、ラスト3km、牽制し合う先頭2人に追いついた。
しかしこの動きにも焦ってはいけない。後はスプリントで自分の力を爆発させるだけ。ラスト500m緊張が全身を支配する。一瞬のミスも許されない。ラスト300m先行は真鍋、その後ろで田代、野寺と続く。ラスト150m真鍋の左から田代が最後のスパートを掛ける。同時に野寺は真鍋の右から渾身のスパート。一瞬並んだがスピードは上回っている。そのままゴールを目指し最後の力を振り絞る。「やったー!」耳の無線から、監督の声が聞こえ勝利を確信し両手を突き上げた。
この勝利は長年追い求め、ようやく実現できたものでした。しかし、それは自分1人の力では到底なしえなかったものです。今回この勝利の為に死力を尽くしアシストしてくれたチームメイトには、いくら言っても足りない程の感謝の気持ちがある。同時にチーム全員の努力を無駄にする事無く、勝利を手にした自分自身を誇りに思いたい。
シーズン後半はヨーロパで走る予定でいる。世界最高峰の場でナショナルチャンピオンとして恥じない走りをしたいと思っています。この勝利は、サポートして頂いた全ての人と共に掴んだものです。ありがとうございました。
野寺秀徳(文中敬称略)
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念願の日本選手権タイトルを勝ち取った野寺
Photo by Yuzuru SUNADA |
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