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第9回 Tour of Japan(UCI 2-2)
2005/05/15
大阪、奈良、 長野、静岡(富士山TT)、静岡(伊豆) 、東京
UCIカテゴリー2-2に位置する、国内最大のステージレース『ツアー・オブ・ジャパン』が5月15日から22日まで、全6ステージの日程で開催された。今年からコース設定が一新され、全ステージ公道を使用する山岳が多いコース設定。海外から強力なチームの参加もあり、厳しいレースが予想される。
シマノ・メモリーコープからは、阿部、狩野、野寺、大内、廣瀬、山本の6名がエントリー。狩野、野寺をエースに立て、総合優勝を目指す。
5月15日 大阪ステージ 140.8km
初日の大阪ステージは、シマノとしては地元開催のコース。何としても良い走りをしたい。序盤から集団のスピードは高速で進む。アタックが繰り返される中、常にエスケープグループに選手を送り込み、慎重にレースを進める。
後半に入り、野寺がこのコース唯一の登りでアタック、大内と共に6名程の集団を形成し最大40秒ほどのタイムギャップを作り逃げる。しかし後続では集団スプリントに持ち込みたいオーストラリアナショナルチームがペースアップし、レースは振り出しに。
ラスト数周で狩野を含む逃げが形成される。メンバーはケウラ(バルロワールド)福島晋一(BS)、廣瀬敏(アイサン)ワン・カンポ(パラファーム)スサント・トントン(ウィズミラク)。
このまま逃げ切るかと思われたが、オーストラリアが最後に追い込みを見せ再び集団は一つに。最後は大集団のスプリントとなり、オーストラリアの1&2フィニッシュとなった。
大阪ステージ終盤。狩野を含むエスケープグループ
インタビューを受ける野寺
大阪ステージを終えた選手
5月16日 奈良ステージ 146.2km
東大寺の前をスタートし、山添村 布目ダム周回を12周する146.20km。長い登りは無いがアップダウンが多く逃げが決まりやすいコース。未だに海外勢の力や、どの選手をエースに置いているのかが解らず、レースを読む事が難しい。細心の注意をはらってレースに臨む。
レースは前半からアタックが続く。野寺、大内を中心にチェックを入れる。何度か逃げ集団が形成されるが決まらない。一瞬、集団が緩んだところで6名程の逃げが出来た。メンバーは福島康司(BS)、フェリックス・カルデナ、スダビド・プラザ(バルロワールド)マッケンジー(ウィズミラク)等。
この逃げは後半まで続き、そこに後続集団から別府、西谷(アイサン)を含む3名が追いつく。シマノはこの逃げに誰も送り込んでいないため、阿部、大内、廣瀬が先頭に立ち集団を牽引するが、逃げ集団は強力だ。ラスト1周、なかなか詰まらない差を埋めるため、野寺も集団を活性化させるためのペースアップを図るが、結局最後は集団の差を埋めることが出来なくなってしまった。 
この日1分20秒程のタイム差をつけられてしまった。明日からは攻撃していくしかない。
5月18日 南信州ステージ 155.3km
ツアーオブジャパンでは初のコース。前日の移動日にコースを下見したが、起伏の激しい予想外の厳しいコースである。しかし、レースを動かすには都合がよい。前日までに失ったタイム差を挽回するべく、積極的に走るしかない。
パレードスタート直後の登りで野寺がアタックを開始。この逃げに福島晋一(BS)橋川(キナン)が反応、橋川が遅れ福島と2人で逃げる。序盤のこの逃げ、集団が見逃すかと思われたが昨年の優勝者、福島をマークしてか、後続がペースアップ。1周で捕まってしまう。
ここから4人の外国勢の逃げ集団が形成され、最大2分半程の差で先行。ここから後続集団では先頭に選手を送り込んでいないバルロワールドがペースアップ。メイン集団は徐々に遅れる選手が目立ち始める。
最終的に、この日動きが良かったカザフスタンのカペックの2人と、カルデナス(バルロワールド)が抜け出す。後続でも狩野が積極的に動くがバルロワールドのコントロールから抜け出せない。ラスト半周。リーダーを抱えるウィズミラクが強力に牽引するが先頭の3人には届かず。優勝は最後に単独抜け出したカルデナス。リーダージャージも彼の元へ渡った。
5月20日 富士山ステージ
富士山5合目まで一気に上るタイムトライアル,11.4kmで、高低差は1,200mを登る世界的に見てもかなりハードなコースである。
現在リーダーのカルデナスや、カザフスタンのミズロフといった強力なクライマーがどの程度のタイムで登るかは想像が難しい。シマノでは登坂力に絶対的な自信がある狩野に期待が掛かる。
結局この日1番のタイムで登ったのはミズロフ(カペック)。40分27秒72という他を圧倒する驚異的なタイムで走りきった。昨日までトップのカルディナスも30秒ほどの遅れにとどめリーダーを守りきった。
狩野は42分54秒でゴール。7位と健闘したが、やはり世界屈指のクライマーの前にタイム差を広げられてしまった。
5月21日 伊豆ステージ 130.35km
今年は日本CSCのサーキットを飛び出し、自動車専用道路・伊豆スカイラインを走り、再びCSCのサーキットに戻るコース設定。今大会、最難関と言われるだけあり、コース中、平坦な個所が一切無い。
ステージ優勝を目指すと同時に、現在総合7位につける狩野の成績を一つでも上げるため、総合優勝に望みをつなげるために前半から積極的に走るしかない。スタート直後からアタックが繰り返される。スカイラインに入り、狩野、福島晋一(BS)、田代(BS)ワンカンポ(パラファーム)の逃げが形成される。
アジアでも屈指の選手が形成するこの逃げに、その差を徐々につめようとするバルロワールドが焦りを見せ始めた。彼らの辛そうな表情を見るのはこの大会初めてかもしれない。それだけ先頭の4人は勢いよく逃げたが、CSC周回に戻り吸収されてしまう。
ここで野寺がカウンターアタック。一瞬10秒ほどのタイムギャップを作ったが、神経質になった集団が逃げを許さない。集団内ではリーダーのカルディナスと2位に付けるミズロフが睨み合いを続けるが、2人とも積極的に動かない。
ラスト1周半、20数名まで絞られた集団の隙をつき野寺が再びアタック。カペックの選手と2人になる。そこに後続からカルディナスがアタック、これに野寺が飛びつき、カペックと3人で逃げが決まるかと思われた。しかし、カルディナスも、後続にミズロフを残すカペックの選手も先頭に出ようとしない。ラスト1周を切り集団は再び一つに。
ここで、このコース一番の勾配の急坂でカルディナスが単独アタック。そのまま独走態勢に。後続も最後のアタック合戦が始まるが、カルディナスがそのまま逃げ切った。
後続では野寺が集団スプリントで3位に入り、日本に今大会初のUCIポイントをもたらした。また、この日前半から逃げつづけていたメンバー中、唯一狩野が最後まで集団に残る走りをみせ、総合上位を守りきった。
5月22日 東京ステージ 148.5km
最終ステージは、日比谷をスタートして大井埠頭を周回するフラットなコース。スプリンター有利だが、最後に逃げを作ろうとする選手が積極的に動く。シマノでは大内の動きが良く、前半形成された逃げの集団に入り、積極的に逃げつづける。
後続メイン集団では、リーダーを守るバルロワールドがパワフルかつ冷静にレースを進めている。レース終盤、前を行く数名の集団に大集団が詰め寄る。最後に攻撃に出たいシマノであったが終盤のペースアップにより攻撃が出来ない状況に、結局この日も大集団のゴールスプリントをサンダーソン(オーストラリア)が制した。

今回目標としていた総合優勝は果たす事が出来なかったが、僅かな可能性を信じて最後まで攻撃しつづける事ができた事は、大きな収穫となった。今後も続く大きなレースで勝利出来るよう頑張りたい。
「たくさんの観客の皆さんが見守る中スタートを待つ。今回のように多くの方々に見てもらえるような大会を大切にし、今後も増やしていかなければならない。」
文中敬称略
レポート 野寺秀徳
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