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| UCIカテゴリーのHors(超)クラスという、上から数えて2番目のレベルに値するステージレース。5つのプロツアーチームが出場するこのレースは、ルクセンブルグという土地柄、コースのほとんどがアップダウンで構成され、毎年激しいレースが展開されている。完走するだけでも価値の高いレースと言えるだろう。我がチームは、エースであるポールを中心に総合で一ケタ順位を狙い戦った。また日本人選手である土井と廣瀬がどの位置で戦えるかも、彼らの世界でのレベルを知る意味で、重要な要素であった。 |
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| プロローグ 6月6日 <Luxembourg 2.4 km> |
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ルクセンブルグ市の街中で行われたプロローグ。開始時間も夜の7時スタートということもあり、沿道には、ファンや仕事帰りの人を含む多くの観客が集まった。
コースは、市内の中心部の道路を使ったもの。2.4kmと短いがバラエティに富んだもので、約80km/h出る下りや、旧市街地の石畳の急勾配を上るなど、テクニカルな要素も含まれていた。その為、ほとんどの選手がノーマルバイクでスタートしていった。 我がチームトップは、クレモンが3分58秒の28位という成績であった。
(ステージ結果) 1 Endoulvent Jimmy (Fra) Credit Agricole 3:42.06 2 Flecha Giannoni (Esp) Rabobank +0.05.70 3 Gardeyn Gorik (Bel) Unibet +0.05.88 28 Lhotellerie Clemont(Fra) Skil-Shimano +0.16.60 29 Martens Paul(Ger) Skil-Shimano +0.17.10 51 Muller Christian(Ger)Skil-Shimano +0.20.38 57 Mechenmoser Christoph(Ger) Skil-Shimano +0.21.68 60 Timmer Albert (Ned) Skil-Shimano +0.23.14 76 土井雪広(Jpn) Skil-Shimano +0.26.36 102 廣瀬佳正(Jpn) Skil-Shimano +0.38.02 104 Goesinnen Florris (Ned) Skil-Shimano +0.40.64
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| 第1ステージ 6月7日 <Luxembourg - Mondrf 166.8 km> |
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このステージは、166kmで途中に3つの山岳賞ポイントが設定されているアップダウンコース。また最後にも起伏のある小周回が設定されていて、選手を篩いに掛けるには十分の厳しいコース設定であった。
まずスタート直後から、3名のエスケープグループが出来上がる。集団は、総合1位の選手を擁するクレディアグリコルがコントロールし、レースは進んで行く。しかし、100km過ぎの山岳賞ポイントの約20%の激坂で、その1位のEngoulventが遅れるハプニングが発生。それにより集団のコントロールは乱れてしまうも、なんとか彼が復帰したことで、再びクレディアグリコルのコントロールの元、最後の小周回コースに突入していった。
ここには、短いが石畳の上りが存在。さらに吹きさらしの平坦があり、そのコンビネーションで集団は分裂し始める。ここで、先ほどのリーダーも脱落し、トップ争いに激しさが増し、本命が動き始める。我がチームのクレモンも激しくアタックを繰り返すもなかなか決まらない。
そして最後は、約80名のゴールスプリントとなり、パナリアのアルゼンチン人のRichezeが優勝。個人総合では、Flecha(ラボバンク)が首位に浮上した。我がチームは、土井、ポール、クリストフ、クリスチャン、クレモンの5人が同タイムでゴールした。
(ステージ結果) 1 Richeze Ariel (Arg) Panaria 4.08:59 2 Summer Jochen (Aut) Elkhaus +st 3 Renshaw Mark (Aus) Credit Agricole +st 35 Lhotellerie Clemont(Fra) Skil-Shimano +st 46 Martens Paul(Ger) Skil-Shimano +st 56 Muller Christian(Ger)Skil-Shimano +st 59 Mechenmoser Christoph(Ger) Skil-Shimano +st 62 土井雪広(Jpn) Skil-Shimano +st 90 Timmer Albert (Ned) Skil-Shimano +7.49 95 Goesinnen Florris (Ned) Skil-Shimano +st 97 廣瀬佳正(Jpn) Skil-Shimano +st
(個人総合時間) 1 Flecha Giannoni (Esp) Rabobank 4:12.45 2 Dall Antonia (Ita) Panaria +st 3 Gardeyn Gorik (Bel) Unibet +st 27 Lhotellerie Clemont(Fra) Skil-Shimano +0.11 29 Martens Paul(Ger) Skil-Shimano +0.12 43 Muller Christian(Ger)Skil-Shimano +0.15 48 Mechenmoser Christoph(Ger) Skil-Shimano +0.16 61 土井雪広(Jpn) Skil-Shimano +0.21 87 Timmer Albert (Ned) Skil-Shimano +8.07 102 廣瀬佳正(Jpn) Skil-Shimano +8.22 104 Goesinnen Florris (Ned) Skil-Shimano +8.24
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| 第2ステージ 6月8日 <Schifflange - Differdange 195 km> |
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このレース中、もっとも最長の195kmというコース。途中、2箇所の山岳賞ポイントが設定されていて、また最後は、アップダウンの激しい小周回を3回周ってゴールという設定。
この日も序盤から3人のエスケープグループが出来上がり、それを黙認した集団を、リーダーであるラボバンクがコントロールする、という展開。我々としては、最後の周回コースを勝負所とし、それまで静観することにした。
周回コースに突入すると、レース中盤から降り始めた雨が激しさを増し、スリッピーな路面が集団をナーバスにする。それにより前半から逃げていた3人のスピードは衰え、集団に吸収される。これを機会に本格的にレースは動き始める。
我がチームも上り区間で攻撃を仕掛け、集団を崩しに掛かる。ここで上りが得意な土井は、最前列で他のチームの動きに反応し、チャンスを伺う。しかし、2周目で痛恨のパンク。その時運悪く私のサポートカーがすぐに上がることができなかった。というのも集団が分裂していた為に、審判の許可がおりず、時間を要してしまったのだ。土井はホイールを交換し、すぐ前を追うも、時すでに遅しで、結局第2集団に埋まってしまう。
一方、最終周になり、我がチームはポールが積極的に展開し、7名の小グループで飛び出しに成功する。僅かながら、リーダーのFlechaを引き離して7位でゴール。総合でも一気に12位に浮上。この日の優勝は元世界チャンピオンのBrochard(ブイグテレコム)であった。
(ステージ結果) 1 Brochard Laurent (Fra) Bouygues 4:46.34 2 Rast Gregory (Sui) Astana +st 3 Langeveld Sebastian (Ned) Rabobank +st 7 Martens Paul(Ger) Skil-Shimano +0.07 33 Muller Christian(Ger)Skil-Shimano +0.50 37 Lhotellerie Clemont(Fra) Skil-Shimano +0.57 42 Mechenmoser Christoph(Ger) Skil-Shimano +st 67 Timmer Albert (Ned) Skil-Shimano +6.03 68 Goesinnen Florris (Ned) Skil-Shimano +st 75 土井雪広(Jpn) Skil-Shimano +st 89 廣瀬佳正(Jpn) Skil-Shimano +10.29
(個人総合時間) 1 Brochard Laurent (Fra) Bouygues 8:59.11 2 Rast Gregory (Sui) Astana +0.02 3 Dall Antonia (Ita) Panaria +0.08 12 Martens Paul(Ger) Skil-Shimano +0.24 37 Muller Christian(Ger)Skil-Shimano +1.13 39 Lhotellerie Clemont(Fra) Skil-Shimano +1.16 45 Mechenmoser Christoph(Ger) Skil-Shimano +1.21 62 土井雪広(Jpn) Skil-Shimano +6.32 86 Timmer Albert (Ned) Skil-Shimano +14.13 87 Goesinnen Florris (Ned) Skil-Shimano +14.35 102 廣瀬佳正(Jpn) Skil-Shimano +18.59
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| コース中の線路を行く集団. (photo by CORVOS) |
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| 第3ステージ 6月9日 <Wiltz – Diekirch 173.8 km> |
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ステージレースも終盤を迎えたが、現時点で首位と1分以内の選手が約30名ほど居る状態。各チームは、その可能性ある選手を上位に上げようと、序盤からの攻撃が予想される。我々としても攻撃にでたいところ。昨日、パンクにより総合を狙える位置から脱落したが、好調の土井に序盤からエスケープに出るようレース前に指示をする。
予想通り、スタートと同時にハイペースな展開。上りがちなコース設定により、アタックの応酬となる。土井も指示通りアタックに出て、うまく7名の先頭集団を形成する。Bouyguesがこれを容認、差を2分以上開かないようにコントロールする。最後は、小周回コースに入ってから捕まえよう、という作戦である。
土井ら7名は順調に逃げ続け、そのまま周回コースに突入する。ここの入り口には約20%の激坂が存在する。道幅も狭い為に、ここを狙って集団のスピードは最高潮に達する。それにより、暫くして土井らは吸収される。それと同時に今度は、新たな2-3名のエスケープグループが出来上がる。ここで、力尽きたBouyguesに代わって、我がチームが集団を牽引し、差を詰め始める。
その甲斐あり、最終周には捕まえることに成功するも、力を使い果たしたチームメイトは遅れ、その時点で約30名の先頭集団には、ポールとクレモンのみになる。小集団のスプリントを得意とするポールに狙わせることから、クレモンが一人で他のチームのアタックを潰しに掛かる。
結局最後は、我々の思惑通り、約30名のスプリントとなり、期待に答えたポールが3位でゴールした。ボーナスタイム4秒を獲得し、総合で9位まで順位を上げた。
(ステージ結果) 1 Feillu Romain (Fra) Agritubel 4:23.17 2 Garden Gorik (Bel) Unibet +st 3 Martens Paul(Ger) Skil-Shimano +st 25 Lhotellerie Clemont(Fra) Skil-Shimano +st 40 Mechenmoser Christoph(Ger) Skil-Shimano +2.04 50 Goesinnen Florris (Ned) Skil-Shimano +3.16 57 Timmer Albert (Ned) Skil-Shimano +9.13 82 Muller Christian(Ger)Skil-Shimano +11.09 93 土井雪広(Jpn) Skil-Shimano +st 94 廣瀬佳正(Jpn) Skil-Shimano +st
(個人総合時間) 1 Brochard Laurent (Fra) Bouygues 13:22.28 2 Rast Gregory (Sui) Astana +0.01 3 Dall Antonia (Ita) Panaria +0.08 9 Martens Paul(Ger) Skil-Shimano +0.20 30 Lhotellerie Clemont(Fra) Skil-Shimano +1.16 38 Mechenmoser Christoph(Ger) Skil-Shimano +3.25 56 Muller Christian(Ger)Skil-Shimano +12.22 66 土井雪広(Jpn) Skil-Shimano +17.32 70 Goesinnen Florris (Ned) Skil-Shimano +17.51 83 Timmer Albert (Ned) Skil-Shimano +23.31 98 廣瀬佳正(Jpn) Skil-Shimano +30.08
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| 第4ステージ 6月10日 <Mersch - Luxembourg 149.5 km> |
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いよいよ最終ステージ。距離が149.5kmと短いが、ラストに2つの坂を含む約10kmの小周回があり、ここを3周する。また、ゴール前が上りになっていることから数秒差を争う個人総合には大きく影響するキーポイントになるであろう。
今日も序盤からアタックが仕掛けられ、「作られては、吸収される」というのを繰り返す。というのも1秒差で2位につけるGregoryを擁するアスタナも40km地点のスプリントポイントでボーナスを稼ごうと考えていた為、彼らも集団をコントロールしていたのも原因だ。アルバートや土井もエスケープグループを形成したが、結局は吸収されてしまう。
そのスプリントポイント直後に、レースは動く。15秒差で現在7位につけるフレチャ(ラボバンク)を含む先頭グループが出来上がったのだ。一時差は、1分までひらくも、フレチャは、クラシックでも上位に入る選手だけに、集団は少しでも逃がすことに危険を感じ、吸収する。
そしていよいよ小周回に突入。すぐにキーポイントとなる上り区間でスピードが上がり、脱落者が目立ち始める。そんな中、先頭ではクレモンが、数人で集団を飛び出し逃げを図る。しかし、集団もそれを許すことなく吸収されてしまう。すると今度は替わってフローリスがアタックし、エースであるポールの力を温存できるようにする。 そうやって何度もアタックが繰り広げられ、見る見る集団は小さくなり、最終的に約20名のスプリント勝負となる。
ここで、力を温存していたポールが絶妙のスプリント。優勝が見えかけたが、ゴール前で2人に抜かれてしまい、結果3位でゴール。昨日に引き続いて4秒のタイムボーナスを獲得。他のライバルもゴール前で少し遅れたことも手伝い、なんと総合で一気に4位まで躍り出ることができた。
結局終わってみると約30名の選手がリタイアする激しいレース結果となった。我がチームは、後半の一体化した攻撃が実を結び、ポールの個人総合4位に貢献することができた。日本人選手の土井や廣瀬も、このHorsクラスのレースで、仕事をした上での完走は、高く評価できるだろう。土井はエスケープにも乗り、上りで脚があることを証明したし、また廣瀬は、怪我により調子を落としていただけに、この完走が復調を証明したことだろう。
(ステージ結果) 1 Rast Gregory (Sui) Astana 3:25.21 2 Daniel Andonov (Bull) Benfica +st 3 Martens Paul(Ger) Skil-Shimano +st 16 Goesinnen Florris (Ned) Skil-Shimano +0.11 19 Mechenmoser Christoph(Ger) Skil-Shimano +0.16 32 Lhotellerie Clemont(Fra) Skil-Shimano +0.24 58 Muller Christian(Ger)Skil-Shimano +8.11 61 Timmer Albert (Ned) Skil-Shimano +8.25 78 廣瀬佳正(Jpn) Skil-Shimano +11:39 79 土井雪広(Jpn) Skil-Shimano +st
(個人総合時間) 1 Rast Gregory (Sui) Astana 16:47.40 2 Brochard Laurent (Fra) Bouygues +0.10 3 Dall Antonia (Ita) Panaria +0.15 4 Martens Paul(Ger) Skil-Shimano +0.25 27 Lhotellerie Clemont(Fra) Skil-Shimano +01.49 19 Mechenmoser Christoph(Ger) Skil-Shimano +03.50 51 Goesinnen Florris (Ned) Skil-Shimano +18.13 56 Muller Christian(Ger)Skil-Shimano +20.42 65 土井雪広(Jpn) Skil-Shimano +29.29 67 Timmer Albert (Ned) Skil-Shimano +32.05 78 廣瀬佳正(Jpn) Skil-Shimano +41:56
完走者80名
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