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全日本選手権ロードレース
2007/06/24
場所:大分県オートポリスサーキット
距離:117km(4.7km x 25周)
シマノ参加メンバー:阿部・狩野・土井・野寺・大内・廣瀬・山本・品川・辻
参加選手数:97名
参加チーム:スキル・シマノ、Nippo梅丹、愛三工業、ミヤタ、マトリックス、ブリヂストン・アンカーなど、主要チーム
このレースは、その名の通り日本一を決める大会である。また、優勝すれば「日本チャンピオンジャージ」が1年間着用できる権利が獲得できるとあって、それはチームにとってステイタスであり、どの選手もこのレースに照準を合わせてるといってもいい。

スキル・シマノは、2005年に野寺選手がチャンピオンを獲得したものの、昨年は2位という結果だっただけに、「今年こそは、もう一度」という気持ちで臨んだ。

この大会は、大分県の「オートポリス」というモータースポーツで使用されるサーキットを含むコース設定がなされていた。しかし、梅雨の時期ということで、このエリアでは終日濃霧が発生し、「10m先が見えない」、というとんでもない状態になってしまった。先立って行われた「ジュニア」や「アンダー23」や「女子」のレースにおいても、その気候の為にコース変更がなされ、1周 : 4.7kmのサーキットを使用したレースになったのである。
我々の出場したエリートでは、さらにレース中に距離が短縮され、25周の117kmになってしまった。

「全日本選手権」という権威ある大会が、こういったレースになってしまったことを、選手やもちろん関係者や応援に駆けつけた方々は非常に残念に思ったことだろう。
だが選手の方は、視界が前方10mであろうが、暴風雨によって路面が滑ろうが、危険を顧みず走らなければならないのが現実である。

さてレースの方だが、スキル・シマノのオーダーとしては、野寺、土井をエースとして走ることにした。司令塔を阿部として、前半から狩野、廣瀬がエスケープを作るというものであった。しかし、この天候ということもあり、最初の30kmはすべての選手が後方に取り残されないよう、「前で走る」ということを意識させた。少しでも前が見えなくなると、「その差」、というものが目視では確認できないからだ。またスリッピーな路面により、落車などのトラブルが発生することは容易に想像できたし、後方に待機して、力を温存するということ自体が難しいと考えたからである。

やはりその予想通り、どのチームも同じことを考えてたようで、スタート直後からどの選手も先行を試みようと、集団はペースが上がり、伸びに伸びた。1周目が終わる頃には、早くも集団は半分に分裂し、「優勝候補」と目される選手までもが遅れていった。前方では、土井がNippoの福島晋一選手と清水都貴選手、愛三工業の広瀬選手と共に集団から飛び出しを図り、その差は20秒となっていた。
集団では、逃げ遅れた愛三工業やブリヂストン・アンカーなどが先頭に立ち前を追うが、全員が苦しい顔をしている。霧で視界が無いのは相変わらず、さらに横殴りの雨が強さを増し、まさに「地獄絵図」といった感じか。

周回が進み、先頭は広瀬選手、清水選手の順で遅れてしまい、2人となるが、差は依然30秒を前後する状態が続く。ただメイン集団は、確実に人数が減っているのがわかる。普段のレースで、2人という少ない先頭集団なら、メイン集団では「静観する」という動きがあるのが通常だが、視界が悪く、周回の距離が短いこのレースでは、ペースが落ち着くことは無かったようだ。

周回が15周目になったところで、予想外に優勝候補の一人である福島選手が先頭から遅れてしまい、土井が単独になってしまう。それと同時に、悪天候の影響で、突然の5周回短縮のアナウンスが流れ、残り10周となってしまう。単独となり、逃げ切りは難しくなった土井であったが、周回数短縮は、彼にとっては朗報であった。

しかし、ここからはNippoも加わり20名弱に減った集団のペースが上がり始める。その中で、スキル・シマノの5選手(阿部、野寺、狩野、廣瀬、大内)は次なる動きに備えて、静観しているという状況だ。この中でリーダー的存在の阿部が無線で「必ず勝てるから、自信を持っていくぞ!」と全選手に声を掛けて励ましている。

残り8周となり、ここまで先頭を走り続けた土井がとうとう集団に吸収される。この時点で集団はさらに人数を減らし、15名になっていた。そのうちスキル・シマノが6名と数的には圧倒的に有利な展開だ。「攻撃の手を緩めるな!」と私は選手に檄を飛ばす。

狩野や阿部が中心となりアタックを繰り返す。大内も捨て身で集団を飛び出す。その甲斐あり、大内が単独で抜け出しに成功する。しかし、ここで後方からNippoのエースである新城が追いつき、先頭は2名となる。振り返ると、ここが勝負のポイントだったところだ。やはりここで、集団にいる選手が彼のマークを外してしまったことが問題であっただろう。

「行かしたらまずい、と思ったが、視界が悪く、新城選手だと認識ができなかった」「大内が行っていたし、少し状況を見ようと思った」と選手はレース後振り返った。

私が「30秒以上は差をひろげるんじゃないぞ」と無線で集団の選手に告げた時には遅く、すでに新城選手は大内を振り切って単独走行に入っていた。
集団の選手がそれに気付いたときには、すでに彼との差は1分となっていた。ここからは形勢は逆転、我々が集団を引っ張る番だ。選手全員が前に上がり、他のチームとも協力して新城選手を捕まえに掛かる。しかし、悪天候により複数で走る有利さが無くなった集団は、どんどん逆に差をひろげられてしまう。

そしてラスト1周、差は2分となり新城選手の逃げ切りは確実となる。後方では2位争いが演じられ、今まで温存していたNippoの宮澤選手がアタックにで、これに野寺が飛びつく形でゴール前までもつれ込み、野寺が先着し2位となる。結果、これがチーム最高位となった。

終わってみれば、距離こそ120km弱と短いレースであったが、完走者が13人というサバイバルレースとなった。スキル・シマノは最多の5人が完走したが、肝心な勝利には恵まれなかった。選手それぞれがベストを出し尽くした結果であったが、「完全に力負け」という事実を露呈してしまった。


[結果]
1位 新城幸也 Nippo梅丹 3h03:10
2位 野寺秀徳 スキル・シマノ +2:17
3位 宮澤崇史 Nippo梅丹 +2:17
7位 狩野智也 スキル・シマノ +2:33
8位 土井雪広 スキル・シマノ +3:40
12位 阿部良之 スキル・シマノ +3:48
13位 廣瀬佳正 スキル・シマノ +3:48
レポート/スキル・シマノコーチ 今西尚志
スキル・シマノは後半のメイン集団に6名の選手が居た
集団内で流れを作った狩野選手(右)と阿部選手(左)
最後は踏ん張り、2位と健闘した野寺選手
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