| プロローグ |
 |
6月12日(土) 個人タイムトライアル 軍隊敷地内コース 1.4k |
|
|
|
|
初日のプロローグは、軍施設の敷地内で行われた。コースは、直角コーナーや短い上り下りなどがある、距離は短いが変化に富んだコースであった。
午後2時より、各チームゼッケンの若い順から1分間隔でスタートしていった。シマノは、エースナンバーの鈴木が最初に走り、1分37秒台の1番時計をマークした。しかし、その後アメリカチームのCastroが35秒台を出しトップに立つ。
その後、その記録を上回ることなく、約半分の選手が終えていった。そのころである、スタート地点の基準となる時計がおかしいことに、坂東監督が気づいた。自分の時計と比べると、なんと約10分で1秒遅れているのだ。ゴールで測定している時計とは連動してないため、例えば、スタート地点の時計が2時10分00秒でスタートした選手は、ゴール時計では、2時10分01秒でスタートしたことになっているのだ。だから選手のタイムが1分00秒でゴールしても、1分01秒という記録になってしまうのだ。とんでもないことである。測定ミスならまだしも、時計自体が不良品というのは聞いた事が無い。
結局、90人目の選手は、約9秒も損をすることになったのだ。現に、シマノで最終走者の大内も37秒台で走ったにもかかわらず、結果上は45秒であった。他にも気づいた監督や関係者が抗議をして試合終了後、1部の結果は修正されたが、完璧なものではなかった。
なんとも後味の悪いプロローグとなってしまった。
|
|
 |
|
|
| 第1ステージ |
 |
|
6月13日(日) Seoul→ChunCheon(147km) |
|
 |
|
|
|
 |
このステージは、ソウルオリンピック記念公園前をスタートし、北東方向のChunCheonに向かう147kmで争われた。最初の20kmは交通量が多いためパレード区間となり、レースが始まる高速道路まで移動をしてのスタートとなった。
コース序盤は、道幅の広いアップダウンの高速道路を走る。そして70km地点と120km地点に山岳賞が設けられており、標高500mの2つ目の山岳地点からは一気に下り、そこから始まる激しいアップダウンを25kmこなし、ゴールというものであった。やはりポイントは、2つ目の山岳からだと予想された。
実質的な初日ということもあり、どこのチームも主導権を握ろうと、スタートからアタックの応酬となる。シマノもアタックが掛かると必ず誰かが反応し、また積極的に攻撃に出た。 その結果、約50km地点で25名の先頭集団が出来上がる。ここにシマノは、鈴木・今西・大内・土井の4名が入り、展開としては悪くない。他の有力なチームも数名含まれており、利害が一致し、25名はスピードを上げ、後続を突き放していった。そして最初の山岳賞は、大内のサポートを受けて土井が楽々と1位で通過した。 100kmを過ぎる頃には後続集団との差は約7分にまでひらき、勝負は完全にこの25名に絞り込まれた。 ここから、110km地点と、山岳賞の設定された120km地点の標高約500mの山越えが2つ始まる。まず1つ目の山で数名が脱落、そして2つ目の上りでは、3名残っているマルコポーロチームが積極的にスピードを上げる。前では、土井が2つ目の山岳賞を狙い、アタックに反応する。何回かの駆け引きの後、頂上まで2kmを切ったところで、Park Sung(ソウル)が集団を抜け出す。ノーマークの彼を誰も追うことなく、彼は、単独で頂上をクリアーし下りに入る。集団では、土井が山岳ポイントを2位で通過し、約15名の集団で、逃げるPark Sungを追って下りに突入する。
下りが終わるとゴールまでの約20kmは、激しいアップダウンの連続となる。残り15km地点で一人先行していたPark Sungを吸収。ここからさらに脱落者がでて、先頭集団は、14名になる。その中にシマノは4名と有利な展開となる。
|
|
|
|
|
|
|
 |
ここから、シマノ4名は代わる代わるアタックを掛け、他のメンバーを苦しめる。そして幾度かの駆け引きの後、ラスト10kmで先頭集団は3つのグループに分裂する。前から6名(鈴木)、3名(今西)、5名(土井・大内)という展開である。 前の6名には鈴木の他に、マッキャン(Giant)、Ried(マルコポーロ)、Menzies(Team MGZT)、Khalmuratov(ウズベキスタン)、Park Jong(ソウル)で、特にこの中でも、ツール・ド・北海道で優勝経験のあるアイルランド人・マッキャンは要注意である。各チーム1人ずつということで、皆、他の選手を牽制しつつ、ゴールへと先頭交代を繰り返す。
しかし、ラスト5kmを切ったところで、動きが激しくなり、アタックの応酬となる。鈴木は、自ら動き反応していく。そしてついにラスト1kmで本命のMccanがアタック、鈴木は、一瞬のマークを外してしまい、3位でゴール。
その結果、鈴木は個人総合で2位に浮上。団体総合も今西・大内がそれぞれ8、11位に入り、首位に立った。 |
|
|
| 第2ステージ |
 |
|
6月14日(月) ChunChon→DaeKwanLyung Mountain 156km |
|
 |
|
|
|
 |
ChunChanの町をスタートし、途中、標高1000mの峠越え、また2つの山岳賞地点(77kmと130km)があり、ゴールも標高800mの上りゴールという、とても起伏に富んだ激しいコース。スタート直後より、いきなりアップダウンが始まり、リーダーチームであるオーストラリアのMGがコントロールする中、各チームが先手を取ろうとアタックが始まる。そんな中、50kmを越えたあたりで、総合に関係の無い韓国とフィリピンの2名が飛び出す。その逃げは、最大約2分まで広がる。
そして一つ目の山岳賞の設定された上りに入ると、昨年のディフェンディングチャンピオンであるChadwick(Giant)が、集団を振るいに掛けるためペースアップを図る。これにより現在リーダーであるMENZIESは、途中遅れるもなんとか復帰する。また、現在山岳賞1位の土井は、頂上を集団先頭で通過し、確実にポイントを加算する。
50名ほどに減った集団は下りに入り、数キロで、今度は標高600mから1000mまでの上りに突入する。ここでもやはり、Chadwickが先頭に立ち、リーダーを振り落とそうとペースアップを図る。前に逃げていた2名も捕まり、これにより頂上では、12名の集団になる。 ここにシマノからは、土井・狩野・鈴木が入る。狙い通りリーダーは遅れてしまい、25名の第2集団に入り、残るシマノ3人(今西・野寺・大内)もそこに入る。
途中、未舗装区間もある危険な下りを終えて、先頭集団と第2集団の差は、約1分。第2集団では、リーダーが遅れたことにより、MGチームが強烈に先頭を引き、差はみるみる縮まってくる。先頭集団では、この逃げを決定的なものにしようと、狩野とChadwickらが先頭を引く。 そして、約130kmの2つ目の山岳ポイントをきっかけに第2集団が分裂し、追走体制が崩れる。9名に減った先頭集団は、最後の勝負所の上りに差し掛かる。するとここで今まで脚を温存していたマッキャンがアタック。この動きで、ここまで先頭を引いた狩野も遅れ、先頭集団は7名になる。この中で昨日の先頭集団に入っていたのは、鈴木の他に、マッキャン、PARK Sung (ソウル)、Khalmuratov (ウズベキスタン)だ。ここからアタックが掛からないよう、土井が先頭に立ち、一定のペースで引き始める。
ラスト10kmを切り、Cory(マルコポーロ)が単独でアタックする。彼は総合では、50秒ほど遅れているので、皆、見逃してしまう。彼は、30秒ほどの差を保ちながら逃げ続ける。
そして、ラスト1kmの緩やかな上りで、マッキャンがアタック。その勢いは強烈で、逃げるCoryをも捕らえて優勝。鈴木はスパートのタイミングを失い、4位となる。
これによりマッキャンにリーダーが移り、鈴木は2位をキープ。
|
|
|
| 第3ステージ |
 |
|
6月15日(火) KangLeung クリテリウム 86km(4.3km×20周) |
|
 |
|
|
|
|
KangLeungの公園を利用したクリテリウムの予定であったが、コースの危険箇所を、各チームの監督が抗議し、レースが不成立となった。しかし、総合には関係ないが、このステージの順位はつける、というなんともおかしなレースになった。
予定通りレースはスタートしたが、総合に関係のある選手は、早々にリタイヤし、休息をとった。シマノ全員もそれを選んだ。よって個人・団体総合時間は変わらず。
|
|
 |
|
|
| 第4ステージ |
 |
|
6月16日(水) KangLeung~YangYang |
|
 |
|
|
|
 |
海岸線の比較的平坦のコースを走るステージ。シマノとしては、昨日リーダージャージを獲得したGiantチームのコントロールをかいくぐって、いかにマッキャンを突き放し鈴木がゴールできるかがポイントになった。その為に、前半よりGiantの壁を破るべく、積極的にアタックをする作戦でレースにのぞんだ。
予想とおり強風が吹く中、Giantが集団をコントロールし、総合に関係のある選手のアタックを潰していく。しかし、チーム自体のコミュニケーションが取れていないのか、進むに連れて先頭で集団をコントロールするGiantのメンバーが減っていく。そんな中50km過ぎ、総合に関係の無いマルコポーロの選手とソウルの選手の2名が飛び出す。 15秒程度だが、差を保ったまま2人は逃げつづける。その2名を追って今西が数名で集団を飛び出す。60km地点では、7名ほどの先頭集団が出来るが、そこには総合で3位につけているソウルの選手が居るので、今西は積極的に引くのを止める。差は約30秒を保ったままで、メイン集団は、73km地点の補給ポイントに差し掛かる。ここで、アメリカチームが5名で強烈なアタックを開始する。これに鈴木ら数名が反応し追走する。狙い通り、リーダーであるマッキャンは後方に取り残される。
このアメリカチームが引く集団は、瞬く間に先頭の7名の集団を吸収し約20名の集団ができる。後方の集団では、マッキャンを始めとしてGiantのメンバーが必死の形相で先頭を捕えるべく、引っ張っている。先頭に居たGiantのメンバーも後方集団に戻り、懸命に追走する。だが先頭集団の勢いは変わらず、今西も先頭交代に加わり、すぐに差は2分となった。 このままゴールまで行くと、総合2位に付けている鈴木がリーダージャージを獲得するのは、確実である。ただこの中に現在総合4位に付けているCory(マルコポーロ)とは、56秒差なので、確実に彼らを逃がさないよう注意する。
そして、最後の勝負所となる130km地点の短い激坂の山岳ポイントに差し掛かる。ここでは、総合4位に付けているPark Sung(ソウル)が山岳賞を狙い飛び出し、1位通過。これにより土井は山岳賞で逆転され2位なってしまう。先頭集団は、20名から10名にまで絞られ、最後の海岸線に突入する。
残り10km。この頃から今まで脚を温存していた総合成績に関係の無い選手が、ステージ優勝を狙い攻撃に出る。幾度かのアタックの後、アメリカとソウルの選手の逃げが決まる。彼らは、総合成績では遅れている為、集団は見逃し2名の先頭集団が出来上がる。集団では、鈴木を突き放したいMENZIES(Team MGZT)やCoryが代わる代わるアタックを繰り返すが、そこは今西がきっちりマークし逃がさないようにする。
結局、先頭の2名は逃げ切ったが、鈴木・今西を含む集団は崩れることなく無事にゴールし、鈴木が個人総合で首位に立ち、リーダージャージを獲得した。
|
|
|
| 第5ステージ |
 |
|
6月17日(木) YangYang~HanKyeMountain~BooMountain~YangYang 136.2km |
|
 |
|
|
|
|
この日は、スタート直後からいきなり上りが始まり、標高1000mのHanKyeMountainを超えるコース設定。おまけに朝から雨が降り、リーダージャージを着る鈴木を守るシマノとしては、ハードな展開が予想された。 (右の写真は、雨の中スタートを待つリーダージャージを着た鈴木選手) |
|
 |
|
|
|
 |
スタート早々から、嫌な逃げが無いよう、野寺と大内が先頭を一定ペースで引き、集団をコントロールする。その甲斐があり、本格的に勾配がきつくなる10km地点までは、誰も飛び出すことなく進む。 本格的な上りが始まると、予想通り、昨日逆転されたマッキャンのチームメイト・Chadwickがやや飛び出した形で先頭のペースを上げる。これを狩野が焦ることなく、一定のペースで集団を引き連れ、彼を吸収する。頂上が近くなるにつれ集団は小さくなるが、狩野・鈴木・土井は先頭集団を保ったまま頂上をクリアする。マークしていたマッキャンも飛び出すタイミングを失ったようだ。
下りに入り、雨で危険なこともあって、上りでバラけた集団も一体化し、集団は落ち着く。シマノとしては、勝負所を終え、後は集団でゴールすれば、鈴木のリーダーを守るのは手堅い。 そこからも引き続き野寺・大内が積極的に集団の先頭に立ち、集団を安定させる。すると50km地点で、総合時間に関係の無いChadwick(Giant)とSeo(ソウル)の2人が集団を飛び出して行く。シマノとしては逆転を狙おうとしているGiantが逃げることは都合がいいので、見送ることにする。2つ目の山岳ポイントの63kmでは、さらにアメリカチームの2人が飛び出していく。彼らも総合に関係ないので、見逃すことにする。 その後、標高500mから100mまでの下りを終え、ここからは、ほぼ平坦である。後は、昨日のコースと同じ、約120km地点の短い激坂だけが要注意箇所である。
残り50kmを切り、先頭集団は4名となり、我々のメイン集団とは3分以上の差がついている。メイン集団は、相変わらずシマノがコントロールし、ライバルチームの飛び出しを防いでいる。そんな中、団体総合で3位につけるソウルチームが先頭集団に居ることで、危険を感じた2位のマルコポーロチームの2名も大内・野寺と共に先頭を引き始める。 しかし、相変わらず差は変わる事無く3分の差がついたまま、メイン集団は問題の115km地点の激坂に突入する。 上りに入ると、路面が濡れていることもあり、タイヤがスリップする選手が大勢みられ、遅れる選手が多発する。そんな中、鈴木もギアチェンジに戸惑ってしまい、集団の中に埋もれてしまう。集団の前方では、Cory(マルコポーロ)が飛び出した形でスピードを上げているが、頂上では彼も捕まり、ある程度まとまった集団で危険な下りに突入した。 下り終わると、中切れが発生したようで、約10名が飛び出した形となっている。差としては5秒ほどしかないが、不幸にも鈴木は、後ろに取り残されてしまう。
前の集団に居た狩野・土井も後方に下がり、今西と共に前を詰めようと、必死に先頭を引くが、約50mがなかなか詰まらない。上位に付けているMENZIES(Team MGZT)もこの集団に居るので、MGZTも総出で先頭を引き、差は徐々に詰まっていく。しかし、ここでMENZIESが単独で、反対車線からアタックする。それに集団が続くが、運悪く前方から車が接近し、スピードの乗った集団は、一瞬にして勢いを失ってしまう。 一方、MENZIESが、単独で追いついた約10名の先頭集団は、さらに勢いを増し、横風の激しい海岸線に入る。この中には、32秒差で2位につけるCoryが入っているだけに、シマノとしては絶対逃がしてはいけない。 鈴木が含まれる集団では、行き遅れたソウルチームと残るシマノ4人(狩野・今西・土井・鈴木)が中心に前を追うが、激しい風や、残ったMGZTチームの動きなどで、思うようにスピードが上がらない。そのうち先頭集団は視界から消えてしまう。絶体絶命である。なんとか先頭集団とから32秒以内でゴールしないと鈴木が逆転されてしまう。
残る数キロを全開で追うが、最後まで前の集団を視界に捉えられないままゴールを迎える。結局、前とは1分08秒の差がついてしまい、鈴木はCoryに逆転され2位になってしまった。さらに団体時間まで2位になってしまった。
しかし、まだ差は21秒である。明日、また逆転に向けて挑戦は終わらない。 |
|
|
| 第6ステージ |
 |
6月18日(金) YangYang クリテリウム 80km(3.2km×25周) |
|
|
|
 |
いよいよ最終日である。今日は、21秒差の逆転に向けて、立ち向かわなければならない。クリテリウムだけに、差をつけるのは難しいが、やるだけはやらないといけない。
今日のクリテリウムは、YangYangの町に設定された1周3.2kmの長方形のコースであった。単純ではあるが、短辺の2つの橋は毎回横風が吹き、展開によっては、集団がバラける可能性がある。 シマノとしては、集団をコントロールするマルコポーロにいかに脚を使わせることがポイントなる。団体総合も守ってくることだろうし、まずはシマノが入った逃げ集団を作ることを目的に、最初からアタックを繰り返すことにした。そのうち、同じように逆転を狙うチームも責めに出れば、マルコポーロも苦しくなるに違いないからだ。 |
|
|
|
|
レースは予想通り、最初はマルコポーロが集団をコントロールし、安定化を図る。その合間をぬって、シマノメンバーが幾度となくアタックを仕掛ける。そんな中、10周を終えたところで、狩野を含む3人の逃げが出来上がる、これは作戦通りである。相変わらず集団ではマルコポーロが先頭を引いているが、なぜかMGZTの選手も数人先頭を引いて、彼らを助けているようだ。これは、良くある話だが、いつのまにかマルコポーロとMGZTとの協定が結ばれていたようだ。シマノとしては、現在個人総合で3位につけているMENZIESを要するMGZTは、逆転を狙って攻撃に出るだろうと、思っていただけに、これには裏をかかれてしまった。
狩野を含む3人の逃げは、約15秒の差を保って逃げ続けるが、マルコポーロに泳がされた形となってしまう。ラスト20kmを切り、3人は吸収され、集団は一体化する。
ラスト5周を切り、集団の後方で落車が発生。野寺と狩野が巻き添えとなってしまう。幸い2人にケガは無かったが、残りの距離が少ないため、ルール上、2人はレースに復帰することができなかった。レースは、その後、土井・今西・大内らが最後まで諦めず攻撃に出るが、ことごとくマルコポーロに阻まれ、結局、集団ゴールとなり、逆転は果たせることなくレースは終了してしまった。 |
|
 |
|
|
|
 |
| 今回のレースを振り返ってみると、いかにリーダーを守る難しさが身にしみたレースであった。実力的には、決して負けていなかったが、少しの失敗が命取りなる、ということが教えられたレースであった。しかし、途中、リーダーであったマッキャンを突き放し、逆転をしてリーダージャージを奪取できたことは、大変な自信に繋がった。この経験を生かし、さらなる飛躍をしていきたい。 |
|
|